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Thursday, September 14

孤独について

ちなみに私の孤独は丁度、猫型をしていて、あのふわふわした毛皮をクッションにして、我が心のほこらにすっぽりおさまるくらいの大きさではある。

孤独ということを考えたとき、人々は何故かおそろしいような、ネガティブなイメージを浮かべるけれど、
私がここでいう孤独というのはそれとは逆の観点からの場合をいっている。


人間は孤独であると思う。
たった一人で勇敢にも母の体内から裸で出て来る。
そして、死ぬときだって、結局勇敢にも一人で死んで行く。

この自然から与えられた問いって何だろう。
それは、まさに人間は、小さな独立した島のように孤独であるべきだということではないか。
孤独を認めて初めて、しっかり人生を生きていけるのだといわれているのではないか。
孤独を認めて初めて、豊かな友情、と深い愛の素晴らしさを知るのではないのか。

人にとって、孤独な時間はとても大切だと思う。
空想の花にお水をやり、心の内部を潤す時間。

そんなことを考えて、朝、本箱を整理してたら、棚からコトンと落ちた本があった。
ずっと以前、物書きの友人からひっそりプレゼントされたものだ。

アン、モロウ、リンドバーグ(Anne Morow Lindbergh)が書いた”海からの贈りもの”である。
その中にこんな一節があって、床に座り込んで読みふけってしまった。

”つめた貝はカタツムリのような形をしていて、丸くて艶があり、西洋橡の実によくにている。
丸くなった猫のように、私の手のへこみに沿って居心地よさそうにこじんまりとおさまっている。
不透明な乳白色で、ひと雨きそうな夏の夕暮れの空のように薄いピンクを帯びている。
その滑らかな表面に刻まれた線は、ようやく見極めることができるほどの貝の中心、
目でいうなら瞳孔に当たる黒く小さな頂点に向かって、完全な螺旋を描いている。
このひとつだけのミステリアスな目は、わたしをじっと見つめ、わたしもこの目を見つめ返している。
その目は時に、中空に輝く孤独な満月にも、夜の茂みの中を音も立てずによぎっていく猫の目のようにも見える。
あるいは、輪を描いて除々に広がっていく波に取り囲まれた島にも見える。
そこにそうして在るだけで、充分に自己充実した島のように。
島はなんと素晴らしい存在だろう。”

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