秋風

木々がゆらゆら揺れて、小リスが顔を出します。
ある家には、もう、ハロウィーンの飾り付けがされ、
白いおばけが玄関で門番をしています。
橙色のいびつなかぼちゃが、いくつか、塀の上、バルコニーの上に置かれて、笑いを誘います。
路傍の花々が、すゞやかにその影を石畳の上に落とし、犬を連れたおじいちゃんは、その影を踏んで行きました。

このお家の主から、以前、金属でできたおもしろいブレスレットを、日本の友人のお土産用に一つと、自分にも赤い色のものを一つ買ったことを思い出します。
春のオープンスタジオで、この家の主が自分のアトリエと家を解放して、お庭で、彼女の作品を販売してたのです。

彼女は主に、金属を使って大きな彫刻を作っているのですが、このくず鉄のブレスレットには、その彫刻のエネルギーのかけらが宿っているような気がします。
その日は、日本の羽織をドレスの上にふわっと着て、お庭でアフリカの“茂みのお茶”を入れてくれました。
家のキッチンはメキシコ人画家のフリーダ.カーロの家のキッチンのように色彩豊かで、置いてある野菜や果物さえ、ダンスを踊っているようでありました。
広い寝室は、竹と南国の木材を自由奔放、かつ美しく組み合わせた、おおらかな魅力がありました。
そんなことを考えながら歩いていたら、道ばたに赤い木の葉が落ちていました。
深く心にしみいる赤。
こちらでは、だいぶ秋が深まっています。
2 Comments:
good picture
Merci, superstar!
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