PINK

Tuesday, October 3

灰色の日曜日にはDVDでも....

先日の十月最初の日曜日。
朝方から空の色は相も変わらず、世の中は終日、灰色に染まっていた。
例の三羽のカラスときたら、暇さえあれば、通りの向うでだべってお喋りしている。

朝ごはんの後、庭仕事をしていたら、薔薇の茂みの中に何故か顔を突っ込んでしまい、顔に6カ所くらいの引っ掻き傷を作ってしまった。
鏡を見ると、なり始めの水疱瘡の態。

これではどこにも出かけられないというわけで、ベッドの上にコンピュータを置き、ある仕事のリサーチや読書やらをしていた。
しかし、さすがに午後にもなると、退屈もきわまってくる。

「アッシュ〜、アッシュ〜」と猫を呼ぶと、即座に「ニャオウン!」と声がして、緑色の目をした猫バスがすっ飛んで来た。
丁度遊ぶのに手頃な大きさなので、ほおを寄せ付けたり、猫毛をいじって遊んでいたら、何か期待はずれだったのか、猫はぷいっとどこかへ行ってしまった。

仕方がない、誰も遊んでくれないから、映画でも見るか。と棚を探していたら、以前買っておいて長い事見るのをためらっていたものがあった。

「In Cold Blood」(冷血)

トルーマンカポーティによる「冷血」の1967年の映画化である。
思い切って見始めたが、どうしても一気に見れず、紅茶とクッキーの休憩をかなり入れて、それでも何とか、夕方には見終わった。
しかし、あ〜、本当に疲れました〜。
何せ、テーマがとても重くて、後には、ガレー船から引き上げてきた奴隷のような精神的疲労感が残った。
映像が、忘れられないほど心にしっかり刻み付けられた感じ。

これは1959年にカンザスの田舎で実際に起きた、2人の青年による、殺人事件の話である。
ゴダールの映画手法を思い出すような、モノトーンの画面、いかにも乾いた雰囲気の中で起きる残酷な事件。
その背後の、殺人を犯した青年の心理描写が良く表現されていて、立体的で深みのあるものに仕上がっている。
さらに、事件の詳細をフラッシュバックとして、後に入れた所がちょっと新鮮だなと思った。
というか、すごい場面を見なくてはいけないと、拳を握って怖がっていたが、それは後回しにしてくれて少し安心したというべきか。
見るのに相当エネルギーを使ったので、その夜は悪夢にうなされるかもと心配したが、大丈夫であった。

でも多分、これはもう二度と見ることはないだろうから、「Dancer in the Dark」(ビョーグの演技もその音楽も素晴らしいけど、とにかく悲しくて胸が痛かったほど!)と同じ場所に置いておこうっと。

というわけで、その後のお口直しはこちらの“3rd Rock From The Sun”。
テレビで放映していたらしくて、5シーズンぐらいまであるようである。
今の所、2シーズンを私は終えた所。

これは、4人の宇宙人が地球にやってきて、人間研究のために自ら人間に形を変えて、どこかのアパートの屋根裏部屋で暮らしているという笑いの絶えないコメディー。

トワイライトゾーンでおなじみの、John Lithgowの熟れた演技はいぶし銀のようだし、当時14歳のJoseph Gordon-Levittの才能にも驚いてしまう。
彼は、既に25歳だというけれど、ニューヨークのコロンビア大学を2年で中退して、今は、特にインディペンデント映画に集中して、出演しているという。
こんなにテレビの売れっ子少年だったのに、渋くて、興味深い選択だと思う。
その彼が、自分の母親の持っていたJacques Prévertの詩から触発されて作ったという ”エスカルゴ”という短編、詩的でとても良い。
しかも、アニメーション、ピアノ、ギター、ボイスなど全部やっているというから驚いてしまう。 今度、彼の他の作品見てみようかな。

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