PINK

Thursday, September 21

愛車

海を見つめる私の愛車......

朝一番でスタジオ仲間のラバーヌからメールが入った。
”元気? 数日見ないので淋しいと思っているのよ。 そちらに何も変わりがないといいんだけど。”

実は先日、車をサービスに出した。
普通は朝だせば夕方には仕上がる。
なのに、今回は、今までになく時間がかかり、これで3日もたっている。
だからスタジオに行かれない。
家のダイニングルームの大テーブルの上に絵の具等を散らかして、コミッションの絵を必死で仕上げている。

フォルクスワーゲンの会社から、電話がかかってきて、ブレーキとトランスミッション、およびどこそこのホースを取り替えることになって、多分修理費が1000ドルから2000ドルかかるだろうという。
”キャー!!”と悲鳴。

確か6ヶ月前も、サービスで700ドル払ったことを思い出した。
何なのだ、このお金食い車は。
9年もたつと車ってこんなに費用がかかるのかしら。

アメリカでは車は必需品である。
ドライバーズライセンスはアイデンティティーカードとしてしょっちゅう使わなくてはならないので、来てすぐに運転免許をとることは必至。
1997年に上陸して、免許を取ったものの、実際に車を運転するのはいやでいやで、しばらくは徒歩の生活をしていた。
でもそうもいかなくなって、自分用の車を買う事に。
車にあんまり興味がないので、動けば何でもいいと最初は思っていた。
ところが、ある日、フォルクスワーゲンの店の前を通ると.....なんとそこには、可愛い赤い小さな車が窓越しにこっちを見ているではないか。 
赤い、おとぼけハンドバックみたいな顔して。
今まで、まったく車に興味のなかった私が、突然、一目ぼれしてしまった。
その時の私を漫画でたとえたら、興奮して足が8本くらいに増えた人のイメージ。
それが、その年にでたばかりのニュービートルの赤。
運命的な出会い!(勝手に想像)
それで、ついに購入した。

フォルクスワーゲン、すなわち人々の車、つまり、大衆車ってとこかな?
何年も頑固にデザインを変えない。ここでは日本車より安いし、親しみやすい”顔”してる。
赤だから、アメリカの巨大な駐車場では、遠くからでもすぐ見つけられるし、小さいから自分の体のサイズにぴったりだ。
おまけに細い花瓶なんかついていて、そこに最初は生花、でもすぐ枯れるので、本物そっくりな白い薔薇一輪、さしたりして、
乙女心が大満足。

出始めの頃は、よくニュービートル同士ですれ違うと、あっちのお兄さんなんか、”よ、兄妹!”てな感じで、うれしそうに手を振ってきた。
今は運転してると、もう春のてんとう虫みたいにどこでも様々な色彩のがうろちょろしてるし、中には本物のてんとう虫のように黒い点々をつけているのもある。もっと傑作なのは緑色のビートルがかえるに変身しているもの。
大きなかえる目玉まで車のてっぺんにつけてるんだもの。 
いや〜ん、もう早く走って向うの車線まで逃げちゃおう、一緒にくっついて走りたくない。

思えば9年間よく働いてくれました。
大きなキャンバスを入れたり、出したり、それでキャンバスからの絵の具があちこちにくっついたり。
あっちのギャラリー、こっちのギャラリーと道を何度も間違えたりして不安も共有。
そのうち、部品がおもちゃのように取れても、(何故か、内部のボタンとかがすぐ取れたりする)、なおかつ大好きなこの車。

愛は貫きます〜。 乗りつぶしちゃいます。
ということで、仕方なく修理費を払い続けることになりそう...とほほ。

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