PINK

Saturday, December 9

尾崎 豊


あるブロッガーさんに薦められて、尾崎豊の”普通の愛”を読んだ。
純粋な魂に、涙がこぼれてこぼれて、翌日、私の目はお岩さん。
だから、もう日の光がまぶしくて。

彼が、妻と小さな息子とに別れを告げて、家をでるシーン。
もう、戻らないと決心して、玄関まで行くと、一才三ヶ月のその息子が泣きべそかきながら、よちよち歩きで彼を後追いする。
彼は子供に大きな試練を与えてしまったことを感じ、それ以上、息子の顔を見る事ができない。
やがて、彼は子供を諦めることを決心する。
それと同時に、「この子には離婚を経験しなくてすむような、ふさわしい女性が現れるように祈ろう」と思う。

彼は続ける。
「誠実さは諦めの中には生まれない。 
この世には本当にかけひきのない愛がある。 
それを探してほしい。 
それを見つけることはとても難しいことかもしれない。 
何故なら僕は失格者になって初めてそれに気づいたんだ。 
だから遠回りすることも多いかもしれない。
でも負けないでほしい。 
きっと、きっと探し続けるその先に見つかるはずだから。 
そして背負う悲しみも多いだろう。
けれど本当の愛には自分を偽って取り繕うものは何もないんだ......」

そして、もう一冊の詩集、「白紙の散乱」にはあきらかに彼の愛する息子へとみられる詩がかかれている。

雲の上で

雲の上で遊んでいる君よ  
笑っていておくれ僕のために
その夢が覚めて泣き出しそうな時には 
暖かい愛情が君を癒してくれればいいのだけれど
どんな気持ちでいるんだい 
どんな夢をみているんだい 
どんな言葉を覚えたの
雲の上で遊んでいる君よ 
君は笑いながらやがて思い切り走り出すのだろう
そしてつまづいたり 
転んだりしながら 
やってゆくんだ
どうか人の冷たい手に触れることがないように
どうか人の心がいつでも暖かく君を包むように
そうずっと願っているからね
今日の雲の上はどんな日ですか

ひとつひとつの言葉が、杭のように心の奥に突き刺さる。
詩とともに、彼が撮ったという写真も素晴らしい。

尾崎豊は、実は天才だったんだ。

2 Comments:

At 5:08 PM , Anonymous Anonymous said...

「どうか人の冷たい手に触れることがないように どうか人の心がいつでも暖かく君を包むように」って涙が出ちゃう。
最近、「信頼」ってなんだろう?って考えることが多いの。比較的深く傷つくことがあったのね。
尾崎豊が本を出していたとは、知らなかったわ。

 
At 7:04 PM , Blogger PINK said...

以前、友人に薦められて、尾崎豊のCD買ったのね。
そしてら、すごく意外だったの。
尾崎豊は10代の代弁者みたいなこと、マスコミで言ってたけど、そうではなくもっと深い所で世代を超えた真実みたいなものを言っている気がしたの。
それに声が透明で本当に美しい! ”I love you"って、CDの最初の曲なんて、聞くたびに心がふるえちゃう。(笑)

私も、彼が本を出してたって知らなかったけど、ブロッガーさんに教えてもらって、早速読んでみたの。何故か、中原中也とか、昔に夭折した詩人を思い出したわ。 彼が生きてて、今40くらいだとしたら、どんな芸術家になってたかなって思うわ。
でも、天才だからやっぱり、太く短い人生だったのね。
みきさんも、色々な人々に接する職業だから、人間関係は大変だと思うわ。 本当、人ってやっかいよね。
(自分も含めて)
私は動物と接してた方がよっぽどいいわ。(笑)

 

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