PINK

Thursday, October 26

その猫


その猫は吹けば飛ぶほど小さくて、ちょうど、網戸とサッシ窓の間のすきまに入り込むことも可能に見えるほどだった。
ほとんど白い毛玉でできているようで、その繊細ななりは見ただけでもこちらをはらはらさせる。
はさんでしまうのがこわくて、こちらにくるようにいうのだけれど、新顔の私を警戒して、そこにはりついたままである。
首を伸ばして隣の窓を見ると、ほのかな明かりがついていて、どうも誰かの気配がある。
前もって、私がこの部屋を借りる際にその所有者が、隣人はこの猫のことをどうも好ましく思っていないので、決して窓から外にはださないようにといわれている。
外は雨上がりの湿った土の上にまだらに草がはえていて、そんな状態の大地の上に、黒白の犬と、隣人の飼っているらしい大きめの猫2匹がのんびりと寝転んでいる。 
こちらの猫は小さな片手を巧妙に使いながら網戸をあけて外にでようとするので私は気が気ではない。
この信じがたい小ささから考えると、外に出た途端に彼らに一口でやられてしまうに違いない。
そんなあかつきには、重大な責任問題である。
所有者の大切にしている特別な猫なのである。
と考えていると、突然雷がなって、空が黒い雲に包まれた。
外の動物たちは、それでも自由気ままに寝転んでいる。
再び雷光があり、私がそれに気を取られている間に、その小さな猫は網戸をどうにか手であけて外に飛び出て行ってしまった。
さあ、大変だ! というところで目が覚めた .....夢、か。
よかった、夢で。 
後で、お化粧用のコットンボールで子猫を作って、友人に夢の説明をした。
これで、少し気分が晴れた。

2 Comments:

At 6:35 AM , Anonymous Anonymous said...

なんだかこちらへ伺うたびに、画面が真っ白で何も見えなかったの。だけど今日おもいついて、Unicodeにしたら、バッチリ見えるようになった!
お久しぶりです。
コットンボールの猫ちゃんかわいいわ。
そして、いつもほんとうにすばらしく色々なものを作られるのね!

 
At 7:50 AM , Blogger PINK said...

そうなの、みきさんのブログもいつの間にかコードを変えないと読めなくなったのよね。
英語は大丈夫なんだけど。
お褒めの言葉、ありがとう。 これはコットンボールをこねて、夢の中の猫がどんなだったか友人に説明するために作ったの。後ろから見ると猫みたいなんだけど、前はパンダみたいなのよ。

 

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