
日本にいた時はコーヒーをよく飲んでました。
私が高校生の時、友人が、自分の大学生の”お兄ちゃん”が、喫茶店でブラックコーヒーを飲むのだというのです。
そして、それはとってもカッコいいことなんだと、その”お兄ちゃん”が言っていたということを聞きました。
それで、私も大学生になったらそのブラックコーヒーを飲みたいものだ、と思ったのがきっかけでした。
さて、アメリカに来てからというもの、エスプレッソ、カプチーノやカフェラテ等を飲むことが圧倒的に多くなりました。
カプチーノとカフェラテは、もちろん豆もそうですが、その泡が私にとっては問題で、きめの細かい美しい泡をマスターするために、私は相当時間を費やしました。
朝の光の中で、そのやわらかなクリームのような泡を、ぼーっとした頭のまま味わうのが自分にとってはひとつの天国でもありまして......
それがないと、一日が始まらない。
要は例のフォーム用の管を表面ぎりぎりで斜めに泡立てるようにするのですが、それが意外に難しかったのです。
何せ忙しい合間に作るので、気が散ってしまい、すると何故か泡がきれいにできないのですねえ、やはり。
そういえば、知り合いの画廊の持ち主で、日本人のYさんに入れていただいたエスプレッソ、今まで味わったことがないほどおいしかった。
もう、体に染み渡るような味わいでした。
実はそのエスプレッソ、彼ご自慢の5000ドル((!)もしたイタリアのエスプレッソマシンで、オークランドから特別、彼用にブレンドしてもらった豆を使い、Yさんみずからの手で丁寧に入れてくださったものだったのです。
オークランドにこんなおいしいお豆があったなんて、ちょっと驚きでしたが、バークレーやオークランド近辺は文化人が多いところ。
なんとなく納得はいきました。
あの味は今でも忘れられないくらい素晴らしく、エスプレッソ通のイタリア人の友人までが感激してたぐらいですから、相当なものだと思います。

3月にニューヨークに行った時、滞在した先のおうちのキッチンにもスイス製のいい機械がありました。
それも随分高価で、約2000ドルだったということです。
機械の良し悪しも味に関係するのでしょうか。
私はといえば、スターバックスで購入したバリスタという普通の庶民的な機械使ってます。
そして、スタジオではアレッシのエスプレッソメーカーの小さいのを使って、エスプレッソをすすってます。これは、私の宝物なんです。