PINK

Wednesday, May 31

おさんぽ


ジムに行くのもいいけれど、トレッドミルの上で窓の外をただ見ながら30分も歩くのはちょっと苦しい。

たとえ音楽を聞きながらでも、なんだか空しい。

まるでチキンファームにいる一羽の鳥のような気がする。

同じことを毎日毎日たんたんとするなんて、どうも自分には合わない。


というわけで、最近落ち込み気味の友人を誘ってこれから早朝の散歩をすることになった。
本日は第二日目であります。

自然の音を聞きながら、風を感じながら、お日様に当たりながら、すごくいい気分。
あ〜きれい! わ〜気分がいい!とやたらに表現する私に友人はいささかあきれ顔だったようだけど。

特に、私はこの名前もしらない黄色い雑草がさらさらと、風になびいている場所にくるとなぜかぐっと感動してしまう。

野原を一日中かけめぐって、青い草や、花の匂いをいっぱい体にしみ込ませて家路についた頃の自由感を思い出す。
と、ふと先を見ると、りすが考え事をしているところに遭遇した。

Monday, May 29

青空の下で

今日はメモリアルデーで、たくさんの人々が海に繰り出しました。 
それにしても、こんなに多くの人々をこのサングレゴリオの海岸で見るのは珍しい。

この海岸は国道一号線沿いにあり、州が管理している海岸の中でも、流木が非常に多い所です。
さまざまな形や、材質の流木は、浜辺を訪れる人々の想像力をかき立てるようで、行くたびに、
それでできた砦を楽しむ事ができます。

私もある早春の日に、友人と出かけて、あまり寒さが厳しかったので、流木で砦を作り、ロビンソンクルーソーのように半日を過ごしました。
ビニールの敷物で屋根を覆い、木で小さなテーブルも作って、その上で、家から持参した熱いコーヒーを飲んだりして。

本日は目もくらむような、まぶしい青空がどこまでも広がっていました。
凧が空を飛び、セスナが波の上を低空飛行していくのを見ました。
ロシア語、フランス語、スペイン語、アラブ語など、さまざまな言葉が色々な所から耳に入ってきました。

家族が浜辺でバドミントンをしている間に、
私は波で遊んだり、
ドーナツを食べたり、
粘土質の崖に、名前を書いたり、
流木の砦を見つけたり、
こんな、顔を発見したり、と
充実した時間を過ごしました。

お日様を一杯浴びて、今日はぐっすり眠れそうです。

Sunday, May 28

足で描いた抽象画

Saturday, May 27

カプチーノの泡とエスプレッソ

日本にいた時はコーヒーをよく飲んでました。

私が高校生の時、友人が、自分の大学生の”お兄ちゃん”が、喫茶店でブラックコーヒーを飲むのだというのです。
そして、それはとってもカッコいいことなんだと、その”お兄ちゃん”が言っていたということを聞きました。
それで、私も大学生になったらそのブラックコーヒーを飲みたいものだ、と思ったのがきっかけでした。

さて、アメリカに来てからというもの、エスプレッソ、カプチーノやカフェラテ等を飲むことが圧倒的に多くなりました。

カプチーノとカフェラテは、もちろん豆もそうですが、その泡が私にとっては問題で、きめの細かい美しい泡をマスターするために、私は相当時間を費やしました。

朝の光の中で、そのやわらかなクリームのような泡を、ぼーっとした頭のまま味わうのが自分にとってはひとつの天国でもありまして......
それがないと、一日が始まらない。

要は例のフォーム用の管を表面ぎりぎりで斜めに泡立てるようにするのですが、それが意外に難しかったのです。
何せ忙しい合間に作るので、気が散ってしまい、すると何故か泡がきれいにできないのですねえ、やはり。

そういえば、知り合いの画廊の持ち主で、日本人のYさんに入れていただいたエスプレッソ、今まで味わったことがないほどおいしかった。
もう、体に染み渡るような味わいでした。
実はそのエスプレッソ、彼ご自慢の5000ドル((!)もしたイタリアのエスプレッソマシンで、オークランドから特別、彼用にブレンドしてもらった豆を使い、Yさんみずからの手で丁寧に入れてくださったものだったのです。 
オークランドにこんなおいしいお豆があったなんて、ちょっと驚きでしたが、バークレーやオークランド近辺は文化人が多いところ。
なんとなく納得はいきました。

あの味は今でも忘れられないくらい素晴らしく、エスプレッソ通のイタリア人の友人までが感激してたぐらいですから、相当なものだと思います。

3月にニューヨークに行った時、滞在した先のおうちのキッチンにもスイス製のいい機械がありました。
それも随分高価で、約2000ドルだったということです。
機械の良し悪しも味に関係するのでしょうか。 

私はといえば、スターバックスで購入したバリスタという普通の庶民的な機械使ってます。 
そして、スタジオではアレッシのエスプレッソメーカーの小さいのを使って、エスプレッソをすすってます。これは、私の宝物なんです。

Friday, May 26

気分が良くなるまで

初夏にしては冷たい風の吹き渡るスタジオの建物を歩きながら、このところ少し落ち込み気味の自分には、吹きだまりの木の葉がまるでセピア色に見えた。

別にこれといった理由をあげろといわれても、特に思い当たることはなく、ただ、もやもやと落ち込むのである。
木の葉を拾ってスタジオで遊んでいたら、もともと理由のない落ち込みだから少し気分が良くなってきたのを感じた。

他のスタジオからレベッカが顔をのぞき、「ちょっと話したい事がある。」という。
何か深刻な悩みかというと、そうでもない。
レベッカはフィンランド人でベトナム人の彫刻家の御主人がいる。
彼女は、国際結婚におけるコミュニケーションの難しさみたいなことを話してくれた。
それでも“愛と努力があればね”みたいな結論で、私の携帯がなった時点でお喋りは終わり。

何か今日のお天気は少し、人々を人恋しくさせたのかもしれない。
私達は普段はとても疎外された環境で働いているのでたまにはこうやって少しお喋りして暖まることはいい。
少し心が暖まったところで、続きの絵の制作。
”ほたる”が主題。

以前父に、ほたるが飛んでる様を、写真に写して送ってくれるようにと頼んだ。
が、出来上がった写真は暗がりの中にぼんやり浮かぶほたるだけ。
私が欲しかったのは、ほたるが光の糸をひいて、暗闇を飛んでるイメージだったのだけれど.... 

一生懸命思いを入れる割には空回り。

午後になって、ラバーヌがお絵描き用に数枚の紙を私にくれた。
さらに、娘さんが南アフリカからおみやげに買ってきてくれたというバッグを見せてくれた。
なんとプラスティックのゴミ袋を編んで作ってある。
しかも丈夫で、その創造的な精神に感激。
その頃になると、私の気分も以前に元通り。
これで週末が無事迎えられということ。
めでたし、めでたし...

Thursday, May 25

さくらんぼ (桜桃)

そして、私のさらなる大好物、さくらんぼの季節がやってきました。
たくさんのさくらんぼの山から、ぷっくりした、おいしそうな色の実を見つけるのが得意。
それも片手でさっさかさーと、一粒づつ吟味して、すごいスピードで袋に入れて行くのはもうお手のもの。
だって私も、太宰治に負けないほどのさくらんぼ好きなんだもの!

「子供より親が大事、と思いたい。
子供よりも、その親のほうが弱いのだ。
桜桃が出た。私の家では、子供たちにぜいたくなものを食べさせない。
子供たちは、桜桃など、見た事も無いかも知れない。
食べさせたら、よろこぶだろう。
父が持って帰ったら、よろこぶだろう。
蔓を糸でつないで、首にかけると、桜桃は珊瑚の首飾のように見えるだろう。
しかし、父は、大皿に盛られた桜桃を、極めてまずそうに食べては
種を吐き、食べては種を吐き、食べては種を吐き、
そうして心の中で虚勢みたいに呟く言葉は、子供よりも親が大事。」

〜太宰治「桜桃」より引用


やっぱり、太宰治には負けました。

西洋なし

西洋なしが大好物なので色々な種類を試してます。

置いただけでも絵になる形のおもしろさとそのでこぼこした感触。
つるりと喉越しのなめらかな果肉。 
馥郁たる香りの果汁。
おいしくて、くせになってしまう。 

Wednesday, May 24

ナイルの百合

昨日までネギ坊主のようだったナイルの百合が、今日はほころび始めました。
もうすぐ、ブルーの花火を庭のあちらこちらに炸裂させることでしょう。
また夏がやってきます。
私にとっては今年9年目のアメリカの夏。 
信じられない。
こんなに長く同じ町にいたのは人生で初めて。

アメリカの市民権、どうしようかとまだ考えている。
もちろん、市民権を取る方が多くのメリットがあるのはわかっている。
でも、市民権をとったら、自動的に日本の市民権は捨てなくてはならない。
日本もイギリスやアメリカのように二重国籍を認めてくれるといいのになあと考える今日この頃。

Tuesday, May 23

交通ルール

アメリカでは、道路の右側を運転します。 
左側に慣れていると、わたしが、昔したように、車通りの少ない大きな通りを左側運転してしまうことがあるかもしれないので注意が肝心。
(たぶん、そんな人は私だけかもしれませんが)

日本では青信号で右折しますが、こちらでは、赤信号の場合でも、車の通りがなければ、右折できます。
でも、たまに何かの事情で右折禁止のサインがある所もあります。
さらに、“子供が周囲にいる時は赤でも右折禁止”というサインもあり、それは特に学校の周囲に多いです。

ストップサインがある所では、最初にストップサインに到着した車から動くことができます。
これは特に四つ辻などに便利だと思います。
信号を付けるまでもない小さな通りなど、到着した車が順番に動くわけです。
4 way stop, 3 way stop, 2 way stopとありますが、特に四つ辻にある2 way stop の場合、
ストップサインのない優先道路の人々はそのまま走り過ぎることができますが、ストップサインのある側の2人は、
優先道路から車がいなくなったことを確認して、ストップサインに到着した順番から動きます。

さて、アメリカのスクールバスですが、このバスの両側のライトが点滅している時には、後方の車はその間ストップすることが
決められています。
生徒の降車や、乗車の場合が多いのでその安全を守る理由からです。

Sunday, May 21

地中海料理















地中海料理のベジタリアンプレートとトルココーヒーをいただきました。
色々な種類のお豆をいっぱい使ったこのプレート。
体に優しく吸収されて行きます。
そして、細胞の隅々にまでエネルギーが満ちてくるような気がしました。
さすがに健康食で有名な地中海料理です。
私ももっとお豆を食べようっと。
トルココーヒーは魔術的な味。

食べ物で世界旅行を楽しんでます!

Saturday, May 20

インガのアトリエ

インガはドイツ人のアーティストで私の一つ隣りのスタジオにいる。
もともと数学畑からでてきた彼女は、切り口のユニークなコラージュ作品を得意としている。
実は私は彼女のアトリエをのぞくのが大好きで、
「おもしろいことするから来ない?」
と呼ばれると、製作中でもすぐに駆けつける。

ある日、ラバーヌと一緒に彼女の部屋へ。
そこは様々な試みの実験室で、少年のような奇抜な夢に満ちている空間である。
それと同時に彼女のアッサンブラージュ(寄せ集め芸術)には、ヨーロッパの退廃と官能とが不思議に混じり合っている。
とても妖し気な魅力。
どこかから、マルレーネディートリッヒのささやくような低い歌声が聞こえてくるようだ。

この日はジェロと呼ばれる、ゼリーを使う版画の仕方を実験。
このポイントはジェロが全く毒性のない材料だという点にある。
固まったジェロの上にインクを落とし、ローラーでまんべんなく伸ばした後、拾ってきた木の葉の色々をのせ、紙をその上から押さえる。すると、紙におもしろい模様がつく。

その他の機会には、鍵の赤錆を使って白い布に模様をつけたりと、色々子供っぽいことをして遊んでいるわけである。

インガが小さな箱の中から、大事そうにシルバーの小さな使い捨てのハードディスクを出して、その上に文字を写す方法を説明してくれた。
アイロンを使うのであるが、そのディスクを手のひらに乗せていた私、何もしないのに、それをパカッと3つに割ってしまった!
まるで、”ブリキの太鼓”の主人公の少年が「ア〜!」と叫んだら、ガラスがバリバリっと割れてしまったように.....

それで罰として、インガに私の制作時の秘密のテクニックをあげることになってしまった。
 

Friday, May 19

トンコリ

トンコリは、アイヌの弦楽器だそうです。
あるブロッガーの方から教わりました。

そのトンコリのCDがアマゾンからやっと届きました。
早速聞いてみたら...なんと、有機的な音がすることか!
今まで聞いた事がない新鮮な音。
でも、どこか、別の次元で聞いたことがあるような音。
涙が出そうでした。

深い森に降り続ける雨の音
トタン屋根にぽろんぽろんと落ち続ける雨だれの音?

私の体の中にも弦があって、それに共鳴してビ〜ンビ〜ンと響きました。

この音を聞いていたら、アイヌの文化や人々のこともっともっと知りたくなりました。
そして、このトンコリをこの目で見て、触って、さらに習いたくもなってしまいました。 
できれば、アイヌの方から直々に。 
大きな夢ですねえ。
実は私は昔、琴をならったことがあって、弦楽器との相性はとてもいいはずなんです。(なんていっちゃって)
でも、うれしい!

つぶやき

後ろに富士山が見える。
その前の小高い丘の上で、父が青と白の浴衣を着て笑っている。
左上方には最近飼い始めたという、古代の恐竜の顔が写っているが、とても穏やかな表情である。
右前方にも同じ種類の恐竜のやや小さめが目を細めて写っている。
それはちょっと、ネバーエンディングストーリーの白い怪獣の顔によく似ている。

という写真が日本から届いたのを夢の中で私は見ているのである。

すると突然、ウィリアムテル序曲が。
パンパカパーン!!

(え!? なあに、なあに?)

もう心臓に水を浴びたようである。
目を開けたら、携帯が緑に光ってベッドサイドテーブルの上でダンスをしている。
考えてみたら、今日、私は4時半に起きなくてはならなかったのである。

重い体をひきずって、洗面所に行って歯を磨き、顔を洗い、髪を上にまとめる。
だらだらと猫の何をかえ、廊下の電気をつけたら、
廊下の隅っこの、猫ベッドに寝ていた飼い猫のアッシュが

「ニャ...ニャ...ニャア.....」

と迷惑そうに目をしばたたかせながら、しわがれ声をだした。

濃いめのコーヒーを入れ、頭を少しシャッキとさせ、家族の一員を送り出す。
街はモーブ色に包まれて、信号機の光がまるでクリスマスの飾り付けみたい。

今回は珍しくゆっくりと体が癒えてきている。
時間がかかる。
あまり無理せず、体調を整えて、これからくる大きな波を乗り越えなくては。

Wednesday, May 17

かさじぞう?











久しぶりにスタジオに行った。
ラバーヌが興奮した面持ちで私を迎え、
「これみて!」と白い容器に入った、
焦げ茶色の物体を取り出した。
全部で6個ある。 
見ると、何だか傘をかぶったお地蔵様のようである。

すると、そこらじゅうは
あかるく かがやいて、
六にんの あみがさを
かぶった ひとたちが、
「よういさ、よういさ、
どっこいしょ」と、
なにやら おもい
たわらを のきばたに
おろして、
のっこのっこと
かえっていったと。

ーかさじぞう 福音館書店 

最後のちび地蔵様は、雪の中の旅の途中で足を痛められ、
「あいたたた....」と嘆いているようなご様子。

それで私はさっそく、日本に古くから伝わるこの傘地蔵の話を、
情緒たっぷりに話始めた。 
雪がひらひら美しく舞い落ちる様を、
手の動きをつかって巧妙に表したりもした。
でも、彼女がどれだけ理解してくれたか、怪しいものである。

ま、それはともかく、この病み上がりの私の目にいとも新鮮にうつった
この小さな彫刻のようなもの。
実はラバーヌの庭のモックオレンジの木の下から見つかったという。
私たちは大切に並べて、スタジオの隅に飾ることにした。
自然の作るものって本当におもしろい。

Monday, May 15

公園にて

まぶしいほどの緑の公園でお昼寝。
日の光は強いものの、木陰に入ると、さわやかな風がわたって、本当に気持ちがいい。

小さな夢を3つほど見た。
ひとつは海辺の家のこと。
高い場所にあり、海をまたぐようにできている。
床がガラスでできていて、相当な厚さもあり、充分に強いのはわかっているのに、こわくて私は床にへばりついている。
荒れ狂った波の動きが直下に見える。 黒潮で、少し不気味な印象。
私は震えながらも、尺取り虫のように小さく動いて隣の部屋に移動している。
その後は覚えてない。
そして、誰かが走っている音で目が覚めた。

この夢はよく見る。
ストーリーはそのつど変わるんだけど。
海をまたいだ家でのガラスの床のこと。
波をそこからのぞいて恐怖心を感じること。
もういい加減にしてほしい。
何かセラピーでも必要なのかなあ。

2つ目は何かイタリアに関係あるような夢。
でも覚えてない。
近くのバーベキューパーティーのお肉の焼ける匂いで起きたと思う。

3つ目は日本にいる夢。
母と和菓子屋さんに入って「うわ、おいしそうなお菓子!」
と喜んでいたら、そこはアメリカのいつも行くカフェで,
店主のマリーが出て来た。
母はなぜかマリーに雇われているらしい。
夢の中では、母と父は成田を一緒に出発したのに、
父だけが途中、フィリピンで降りたらしい。
私は驚いて、「ええ!? どうするの? どうやってさがすの?」
と大いにあせっている夢。

大体、こちらにくるのに、フィリピン経由であるわけがない。
妙な夢。 
あ〜夢でよかった、よかった。
それにしても、まあ、短い間によくも夢の3本立てを見たものだわ。
自分は普段気がつかないけれども、外国生活のストレスが
夢にでたのかもしれない。 
とりあえず、夕方電話して、二人とも日本にいることを確認。

Sunday, May 14

わたしはまっかないちごです











庭に出てみた。
ここ数日のうちに白い花から小さないちごが、お日様をいっぱい浴びて、ぐんぐん育っている。
太陽のエネルギーってすごい。
そのエネルギーを内に秘めた旬の野菜や果物を食べたら、私の体の中も太陽エネルギーで満ちあふれ、ぴかぴかに輝くわけね。
わかるなあ。それってすごく体で敏感に感じるもの。

ところで、確か去年、3種類のいちごの苗を植えたはずだけど、どの種類かすっかり忘れてしまった。
一つはオーガニックの小さな畑作りにいそしんでいるちえこさんにいただいたものだ。
小さくて甘い種類だといってたけど、どれだったっけ。
実際に実を摘むまでわからない。

いちごって意外に繁殖力がある。
地面に這いつくばってどんどん活動範囲を広げている。
もう、セロリの領域まであと一歩というところだ。

アメリカのイチゴは大きくて、「私は毎日ジムで鍛えています!」とでもいうように筋肉っぽくって歯ごたえがある。
そして、あまり甘みがなくて大味である。
だから食べる時には一工夫がいる。
よく皆がやるのはチョコレートにつけたり、クリームをかけたり。
でも、私はシンプルに育ったいちごをシンプルに味わいたい。

以前、サンフランシスコの朝市にいったら、フランス人女性がどこかのファームで甘いいちごを作っていて、
「ちょっとつまんでみて?」と試食させてもらったけど、それは日本のいちごのように、おいしかった。
でも、まだ一般のお店ではみかけない。需要がないのかしら?
それから、筋肉派のいちごの中にも甘いものが最近出て来ているけど(この写真のもの)、ちょっとみずみずしさに欠けていて、
いちごにうるさい私の舌を満足させてはくれない。
あ〜日本のいちごの、小さくて柔らかくって甘みのあるものを食べたいなあ。

Saturday, May 13

スタンフォード大学の展覧会

今日は午後からやや緊張気味。
夕方6時15分きっかりにスタンフォード大学のアートスペースに15枚の絵を運ばなくてはならなかったのである。
もともと時間はきっちり守るほうなので、あれやこれやと用意周到に考えて、夕方5時近くになると、神経がぴんぴんに張りつめてきた。
15枚の大きな絵を厳しくチェックした後、傷がつかないよう、一枚一枚丁寧に保護して車に乗せる。
オムニグラフで作成した絵のリストをチェック。
地図を再確認して、建物のどこに車を止めるか調べる。
もしもの渋滞を考慮に入れて、出発の時間を計算する。
たくさんの絵を運ぶのだから、そうそうスピードはだせないのでそれも考える。
スタンフォード大学内はくもの巣のようである。
複雑でまともに建物を探し出せた試しがない。
間違えた場合の対処も考える。
というわけで、久しぶりに気持ちを張りつめ、用意万端で出発したら、あらら、6時に着いちゃった。
到着と同時にキュレーターのマリリンが「あら、早いのねえ」とお出迎え。
そして、その15分後には全て建物内に運び込み、彼女と握手して書類にサインして終了。
来週からショーが始まるので、各新聞社にプレスリリースもされているし、あとは6月のレセプションを待つだけだ。
食べ物はスタンフォード側が用意してくれるが、ワインは私が良いものを選んでもっていくからといっておいた。
コレクターの人たちが必ず行くからねといってくれたのが心強い。
おいしいワインで誘惑した私。うふふ〜
やっぱりショーのオープニングのパーティーは少しは華やかでなくちゃね。
後は6月の終わりから始まる2人展の準備をさらに細かくやっていかなくては。

Friday, May 12

暑い一日

暑い日中が終わってやっとほっとする夕方。
空はこのような雲でうまっている。
カフェの前で車を止めて、人を待つ間に本を読んでいたら、外側のテーブルにいる男の人のグループの中から怒声が。
いつも5、6人でたむろしてさまざまな議論をしている人々のグループの中のたぶん50代の2人だと思うけど、
F 言葉を投げかけあって、まるで子供の喧嘩みたい。
普段は紳士っぽく見えたんだけど、こんな姿は初めてだ。
やはり、こう暑いとイライラしている人も増えるということであろう。
今日は4件ほどのイライラ事件に遭遇した。
小柄で帽子をかぶったおじさんが
「おまえのような恥さらしな男がこのコミュニティーにいる事を皆が知るべきだよ。」
それに対して、カリフォルニア染めのTシャツを着た、でっぷり太った男性が、指を顔の両側にくっつけ、話にならんといった風情で「べろべろべ〜」。
それを車の中で見ていた私、ちょっと笑ってしまった。
すると、そのグループの近くでコンピューターをいじっていた男性が
「おいおい、たのむよ、紳士の皆様。(とちょっと皮肉っぽく)僕はニューヨークからきたんだから。」
「おお〜そうかい、そうかい、そんならとっととニューヨークに帰ったらどうだい〜」
「ああ、今から帰りますよ〜」
とその男性、軽蔑のまなざしで皆を見据えると、トヨタのプリウスに乗って走り去って行った。

西海岸と東海岸の間に、文学でもよくあるように、西海岸の野生、東海岸の洗練との対立みたいなものがあるのだろうか。
シリコンバレーは、この20年の間にものすごく国際都市になって、従来のイメージでは図り知れないものがあると私は思っていたけど、なんと、ちょっとした生活の切れ端にカリフォルニア魂は未だ健在。